・つみたてNISAは確定申告が必要なの?
・確定申告って何?
こんな悩みを解決する記事を書きました。
結論
つみたてNISAは原則、確定申告不要です。
その理由と確定申告が必要な人について解説していきます。
つみたてNISAは原則確定申告が不要な理由
つみたてNISAは非課税なので、原則確定申告は不要です。
増えた利益に対して税金がかからない制度だからです。
一般NISAに関しても同じです。
面倒な確定申告なしで非課税の投資ができるので、お得な制度になっています。
つみたてNISAで確定申告が必要になるケース
つみたてNISAでは、確定申告が必要になる場合があります。
それは、20年間の非課税期間終了後に課税口座へ移す場合です。
非課税期間内に売却すれば、確定申告の心配はありません。
非課税期間を過ぎても保有を続ける場合は、課税口座へ移す必要があります。
課税口座(特定口座源泉徴収なし・一般口座)に移した場合のみ確定申告が必要になる場合があります。
課税口座(特定口座源泉徴収あり)に移した場合は、確定申告が不要です。
特定口座の源泉徴収あり口座を選ぶのが一番楽になります。
確定申告とは
確定申告とは、1年間に得た所得に対して発生する税金を申告する手続きのことです。
所得には会社員が毎月もらう給与所得や、不動産所得、配当所得等があります。
詳細は下記の通りです。
給与所得 | 勤務先から受け取る給料や賞与などの所得 |
事業所得 | 製造・卸売・サービス・農業などで得られる所得 |
配当所得 | 法人から受け取る配当などの所得 |
譲渡所得 | 土地・建物・株式・ゴルフ会員権などの資産譲渡で得られる所得 |
不動産所得 | 家賃や地代などで受け取る所得 |
一時所得 | 満期保険金・競馬・懸賞金などの一時的な所得 |
退職所得 | 勤務先から受け取る退職手当などの所得 |
山林所得 | 山林の伐採や譲渡などで受け取る所得 |
雑所得 | 公的年金や上記に当てはまらない所得 |
会社員は給与所得を得ています。
勤務先が所得税や住民税を本人に代わって支払っているので、確定申告をする必要はありません。
給与所得以外に不動産所得や事業所得などの所得がある人は、原則確定申告が必要です。
確定申告を行って税金を納めないと脱税になりますので必ず行いましょう。
確定申告の大まかな流れ
投資で確定申告が必要になった場合、次のような流れになります。
手順②:申告書に記入する
手順③:申告書を提出する
順番に見ていきましょう。
手順①:必要なものを準備する
まずは手続きに必要な書類等を準備します。
用意するのは次の3つです。
・年間取引報告書(証券会社作成)
・マイナンバーカードなど
これらを用意してから確定申告の手続きを進めましょう。
手順②:申告書に記入する
次は申告書に必要事項を入力していきます。
現在はe-taxが便利で、税務署に行かなくてもネットで申告書が作成できます。
書籍やYoutube等で、e-taxでの確定申告方法について解説しているものが多くあります。
これらを参考にしながら申告書を完成させましょう。
手順③:申告書を提出する
最後に作成した申告書を提出して完了です。
e-taxで作成した人はそのまま提出できます。
手書きの申告書を作成した人は、ご自身がお住まいの所轄税務署へ郵送か受付窓口へ持参して提出します。
私はふるさと納税の寄付金控除と配当金控除の確定申告を毎年行っており、e-taxで電子申告しています。
これから初めて確定申告をする方は、e-taxでの申告をおすすめします。
株式投資をしていて確定申告が必要な人
株式投資をしていて、原則確定申告が必要な人は下記の口座を使用している人です。
・特定口座(源泉徴収なし)
これらの口座を利用している方は、十分注意してください
株式投資で使う4種類の口座の特徴
株式投資で使う口座には4種類あります。
②特定口座(源泉徴収なし)
③特定口座(源泉徴収あり)
④NISA口座
それぞれの特徴は下記の表をご覧ください。
口座の種類 | 課税の分類 | 確定申告あり・なし |
①一般口座 | 課税 | あり |
②特定口座(源泉徴収なし) | 課税 | 原則あり |
③特定口座(源泉徴収あり) | 課税 | 原則なし |
④NISA口座(一般・つみたて) | 非課税 | なし |
各口座の特徴を見ていきましょう。
①一般口座
一般口座は、確定申告が必要な口座です。
確定申告が必要な理由は、株の取引ごとに源泉徴収がないためです。
年間取引で得た譲渡損益を自分で計算する必要があります。
計算の手間があるので、一般口座の開設はおすすめしません。
以前は一般口座しかなかったので、自分で計算して確定申告を行う方法が主流でした。
現在は証券会社が手間がほとんどない特定口座があるので、一般口座の利用はあまりありません。
②特定口座(源泉徴収なし)
源泉徴収なしの特定口座は、原則確定申告が必要です。
確定申告が必要な理由は、こちらも株の取引ごとに源泉徴収がないためです。
証券会社が作成する年間取引報告書をもとに確定申告を行います。
株の売買では利益に対して約20%の税金が発生するので、確定申告を行って自分で税金納めます。
ちなみに1年間の利益が20万円以下の場合、確定申告は不要です。
特定口座(源泉徴収なし)がおすすめの人は、
これらに該当する人です。
③特定口座(源泉徴収あり)
源泉徴収ありの特定口座は、原則確定申告が不要です。
証券会社が年間取引報告書を作成し、利益が出た場合は代わりに税金を納めてくれます。
特定口座(源泉徴収あり)がおすすめの人は
ただし、次の要件に当てはまる人は確定申告したほうがお得です。
あえて確定申告することで、税金を減らせるからです。
④NISA口座
NISA口座は一般NISAとつみたてNISAがあり、非課税なので確定申告が不要です。
一般NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円まで非課税で運用できます。
ただし、非課税期間(一般NISAは5年、つみたてNISAは最長20年)が満了になると、一般口座か特定口座へ資産を移す必要があります。
資産を移すと課税口座になるため、これ以降に増えた利益については課税対象になります。
現在のNISAは永久に非課税ではない点に注意してください。
2024年からスタートする新NISAの詳細は下記の記事にまとめています。
特定口座(源泉徴収あり)が一番多い
これまで各口座の特徴を説明してきました。
一般口座と特定口座を比較した場合、特定口座(源泉徴収あり)を開設する人が一番多いです。
なぜなら証券会社が年間取引報告書を作成し、利益に対する所得税と住民税の支払いを代行してくれるからです。
もっとも手間がかからない口座が特定口座(源泉徴収あり)です。
つみたてNISAは損益通算ができない
つみたてNISAは損益通算ができないデメリットがあります。
例えばA証券で1万円利益を出し、B証券で1万円損失を出した場合に損益通算をします。
そうすると、運用益は相殺されて0円になって課税されなくなります。
しかし、つみたてNISAや一般NISAはこの損益通算が使えません。
つみたてNISAや一般NISAはそもそも非課税で優遇された制度です。
他の口座と合わせてさらに税金を安くすることができない点に注意してください。
つみたてNISAの特徴をおさらい
つみたてNISAの特徴は次の通りです。
・年間最大40万円まで投資額が非課税
・非課税期間は最長20年
現在のつみたてNISAは2023年で終了します。
2024年以降は新NISAに変更されるのでご注意ください。
今まで積み立てた資産は、非課税期間が最長20年保証されているので安心してくださいね。
つみたてNISAを始めよう
まだつみたてNISAを始めていない方は、2024年から始まる新NISAを待たず、今からでも始めましょう。
現在のNISAと新NISAは非課税枠が別枠のため、両方使った方がお得だからです。
このように、今から始めたほうが多くの非課税枠を利用できるのです。
つみたてNISAのおすすめ証券会社は下記の記事をご参考ください。
まとめ
今回の記事のポイントをまとめると、
・確定申告はe-taxでするべし
・証券口座は特定口座(源泉徴収あり)がおすすめ
・つみたてNISAは今からでも始めたほうがお得
このようになります。
つみたてNISAや新NISA、証券口座の仕組みを知っていただき、資産形成の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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